コーヒーの木はエチオピアのように自然に自生しているのものありますが、基本的にはコーヒー農家が苗床を用意し、苗木を育ててから農園に植えています。
コーヒーが種子からコーヒーの木となり、収穫できるようになるまでの流れを解説します。
コーヒーノキとは
コーヒーノキは一般的な木と同じように細い幹が枝を広げ葉と果実が実っています。
主にコーヒーベルトと呼ばれる赤道上の熱帯地域で栽培されています。
コーヒーノキといえばアラビカ種
葉っぱや果実の形状は品種により異なりますが、コーヒーノキといえば一般的にはアラビカ種の事を指すことが多い。
実際にはもっと多くの品種が存在しているが、世界三大コーヒーと呼ばれる品種は下記の3つ。
- アラビカ種
- ロブスタ種
- リベリカ種
とはいえロブスタ種は廉価商品向けの味の劣るものになり、リベリカ種は三大品種とされますが、実際は1%程度の生産量で現地消費や研究用として用いられる程度。
130種類ほどもあるコーヒー品種ですが、実際に栽培されているのはアラビカ種とロブスタ種の2種類になります。
かんたんに分類すると下記のようなイメージ
- アラビカ種:レギュラーコーヒー用
- ロブスタ種:インスタントコーヒー用
世界で最も多く栽培されていて、最も美味しいとされるコーヒーは全てアラビカ種なんです。
アラビカ種は亜種も豊富で味の多様性も高いので高級豆として世界中で愛飲されています。
詳しくはコーヒーの品種にて解説していますのでご覧ください。
種子からコーヒーの木が育つまで
コーヒーの木は生育が早く、種子を沃土に植えたらすぐに発芽します。
発芽後は半年から1年したら十分に大きく育つので農園に移植します。
農園に移植されたのち、約2年〜3年後にはコーヒーチェリーを実らせ収穫が可能になります。
苗床から移植され、収穫されるまでの流れ
種子からコーヒーの木となり移植されるまでの流れは下記の通り。
- 播種
- 発芽
- 出葉
- 移植
- 開花
- 結実
順番に解説していきます。
種子を沃土に植える
まずは種子を栄養素の豊富な肥えた土に植えます。
種子はパーチメントと言われる内果肉がついた状態で植えられる。
ビニールハウスのような場所で黒のビニールポットに入れた状態で行われることが多いです。
発芽すると目が出てくる
育成の早いコーヒーノキは1ヶ月半〜2ヶ月もすれば発芽し、豆の形をしたまま茎が伸びてくる。
おなじみのコーヒーの形になっていて面白い発芽です。
この後コーヒーノキの苗はどんどん成長していきます。
葉が出て大きく成長していく
発芽後しばらくすると葉が出てきてどんどん成長していきます。
早ければ6ヶ月〜1年の間に40cm以上に成長し、農園への移植が可能になります。
大きくなったコーヒーノキは農園に運ばれ木の間隔を空けて植えられる。
農園へ移植
農園へ植えられた後は約3年で完全に成長し、収穫可能なコーヒーノキとなる。
植える際には直射日光が当たらないように、陽のあたる場所では日を遮るように樹高の高い木が植えられる。
日を遮るための木はシェードツリーと呼ばれこのシェードツリーの落葉などもコーヒーの木の肥料になったり、同時に果樹として育てて収入に充てる場合も多い。
開花
乾季が終了し、プロッサムシャワーと言われる雨が降ったのちにコーヒーの木は花を咲かせる。
開花時期は地域により異なるが一般的には年に1〜2回ほど開花が行われる(場所によっては3〜4回もある)
この花はジャスミンのような香りがし、開花後のコーヒー畑はいい香りで包まれているが、2〜3日でこの花は散ってしまう。
結実
開花が終わるとコーヒーの木は小さな緑の果実をつける。
この果実は徐々に成長していき6~8ヶ月で成熟したコーヒーチェリーとなります。
赤く熟したものが一般的だが黄色やオレンジなど様々な色がある、これはコーヒー品種により異なる。
また、花が咲けば花が雨などで散ってしまわない限り必ず果実が実るとされています。
収穫
その後、成熟したコーヒーチェリーは様々な方法で収穫されることになります。
コーヒーチェリーは成熟する速度がまちまちで、完熟の実と未熟の実が混在してしまうため、収穫にも手間とコストがかかっているんです。
機械で作業を行う場合や手作業で細かくチェックしながら手摘みする場合などさまざま。
詳しくは下記のコーヒーの収穫についてをご覧ください。
観葉植物としてのコーヒーノキ
コーヒーノキは世界各国で飲料用のコーヒー向けに栽培されていますが、家庭用の観葉植物としても人気。
コーヒーノキは冒頭で述べたように成長スピードが非常に早いため、家庭でも簡単に育てることが可能なんですよ。
コーヒーノキの増やし方
フラワーショップなどで購入したコーヒーノキにも花が咲き、コーヒーチェリーが実ります。
コーヒーチェリーは食べる事ができる甘い果実なのでぜひ食べてみてください。
果実から中の種を取り出し、その種を観葉植物用の土に蒔いて軽く土をかぶせてあげるだけでOK。
放っておけば発芽しますのでそのまま育てましょう。
- 生育時期5月〜9月
- 適温15〜25度程度
- 水は乾いたらたっぷりあげる
コメント