普通のアイスコーヒーと何が違う?
水出しもアイスコーヒーの作り方の1つです。水で時間をかけて抽出するのが水出し(コールドブリュー)。お湯で淹れ、氷で冷やすのが急冷式です。今すぐ飲みたいときと、前もって作っておきたいときで使い分けられます。
お茶パックでも作れる、冷たいコーヒー
まずは粉30gと水500mLを用意し、冷蔵庫で7〜8時間。お茶パックに粉を入れて水に浸す方法なら、専用のコーヒーポットがなくても作れます。
ここではAGFの「ちょっと贅沢な珈琲店」レギュラーコーヒーの案内を基準に紹介します。30g・500mLは公式の60g・1Lを半量にした計算値です。お使いの商品・器具に作り方の指定があれば、そちらを優先してください。
最初は下の分量を出発点にして、飲んだときの濃さを見て調整します。使うのは豆を挽いたレギュラーコーヒーの粉で、水に溶かすインスタントではありません。
| 注ぐ水 | 粉の量 | 分量の根拠 |
|---|---|---|
| 500mL | 30g | 公式の半量で計算 |
| 1L | 60g | AGF公式の目安 |
水量は「注ぐ量」です。粉にも水が吸収されるため、出来上がりが500mL・1Lになるわけではありません。容器は水と粉入りパックが収まる大きさを選びます。分量・抽出時間:AGF公式FAQ(別タブ)
スプーン1杯の重さは製品によって違います。最初だけでも重さを量ると、薄い・濃いと感じたときに次の分量を決めやすくなります。コーヒー用スプーンのg数を見る →
用意するのは、コーヒー粉、水、食品用のお茶パック、ふた付きの容器、はかりです。容器やふたは、製品の説明に沿って洗ってから使います。
分量・時間はAGFのFAQ、パック1袋約15gは同社の水出しの作り方(別タブ)を参考にしています。後者の抽出時間は4〜8時間とされており、この記事では最初に試す条件をFAQの7〜8時間にそろえています。
まず、氷やミルクを入れる前のコーヒーを味見してください。そのままならちょうどよい場合は、抽出よりも後から足す量を見直します。次に作るときも、粉量・挽き目・時間を一度に変えないことが大切です。
| 困っていること | 先に確かめる | 次に試すこと |
|---|---|---|
| そのまま飲んでも薄い | 指定時間まで待ったか。粉全体が濡れ、袋の中に乾いた塊がないか。 | このページのお茶パック法なら、水500mL・7〜8時間は変えず、次回だけ粉30gを35gへ。袋を増やして詰め込みを避ける。 |
| 氷を入れると薄い | 氷を入れる前は、好みの濃さか。 | 抽出条件は変えず、よく冷やしたコーヒーを少ない氷で飲み比べる。粉を増やす前に、溶けた氷による希釈を切り分ける。 |
| 濃すぎる | 濃縮用のレシピを、そのまま飲んでいないか。 | 飲む分だけ冷たい水を少量ずつ足す。好みになったら、足した量を記録して次回も再現する。 |
| 薄めても苦味が気になる | 指定時間を過ぎても粉を浸したままにしていないか。 | 時間超過なら、まず指定時間に戻して粉を除く。守っているなら、粉量・時間はそのままで焙煎の違う豆を試す。 |
30g→35gは、違いを確かめるための当サイトの調整案で、最適量を実測した結果ではありません。粉は16.7%増えますが、飲み物の濃度も16.7%上がるとは限りません。専用パック・ポットでは、商品の指定量・調整範囲を優先してください。
同じコーヒーを小さなカップに100gずつ取り、片方だけ冷たい水を10g加えて飲み比べます。水を足した方の濃度は、元の約90.9%(100÷110)。さらに水を10g足すと約83.3%(100÷120)です。
薄めた方が好みなら、まず濃さを調整する方針でよさそうです。水を足すと薄くなるだけで苦味が好みに合わなければ、抽出時間だけでなく豆や焙煎も見直す候補になります。比較する2杯は、温度をそろえ、氷やミルクを入れずに試します。
これは当サイトが提案する飲み比べで、原因を断定する試験ではありません。90.9%・83.3%は質量から求めた元の液に対する相対濃度です。実際のTDS(液に溶けた成分の濃度)や、苦味の感じ方を測った数値ではありません。
公式レシピの水量を500mLにそろえて計算すると、粉量の違いが見えてきます。以下はレシピの比率を比べる表で、同じ味・同じ濃度になるという意味ではありません。
| 公式レシピ | 指定された作り方 | 500mLあたりの計算値 |
|---|---|---|
| AGF・お茶パック法 | 粉60g・水1L 冷蔵7〜8時間 | 30.0g 60÷1,000×500 |
| HARIO・FIC-70 | 粉55g・水約700mL 冷蔵8時間 | 約39.3g 55÷700×500 |
| HARIO・MCPN-7 | 粉50g・水約650mL 冷蔵8時間 | 約38.5g 50÷650×500 |
HARIOの換算値は小数第1位に丸めています。FIC-70説明書(PDF・別タブ)・MCPN-7説明書(PDF・別タブ)を基に算出。
HARIOの2例は深煎り・中細挽きの粉を指定しています。豆の焙煎や挽き目、フィルターの形、粉の浸かり方が違うため、粉量だけで味の優劣は決まりません。上の表の差を、特定の原因だけで説明できる比較実験も行っていません。
キーコーヒーの「KEY DOORS+ 香味まろやか水出し珈琲」は、30gの専用バッグ1袋で500〜1,000mL、冷蔵庫で約4時間という案内。これはその商品のレシピであり、手持ちの粉30gなら必ず1L作れるという意味ではありません。
換算表は、専用ポットを水500mLで使う指示ではありません。専用器具の水位や指定量は、単純に半分にしないでください。HARIOは、少ない量ではフィルター内の粉が十分に水に浸からず、抽出できない場合があると説明しています。HARIO公式FAQ(別タブ)
粉やフィルターに水分が残るため、注いだ水量と、取り出せるコーヒーの量は別です。実例としてHARIOのMCPN-7は、説明書に投入水約650mL・出来上がり容量600mLと表示されています。
この600mLを目安にすると、150mLなら4杯、200mLなら3杯分です。600÷650で約92.3%になりますが、これは説明書の表示同士の比率で、どの粉・器具でも92.3%取り出せるという実測値ではありません。メーカーも、粉の種類で出来上がり量が変わるとしています。
自分の1回分を知るには、最初に粉を取り出した後の量を計量カップで確かめてください。「飲みたい1杯の量×杯数」を下回る場合は、次回は器具の指定量で作れる回数を増やすなどして調整します。出来上がりに水を足せば量は増えますが、同じ濃さにはなりません。
時間を延ばせば抽出される量が増える場合はあります。ただし、濃度が上がることと、好みの味になることは別です。薄さを直すために丸一日置く前に、粉量と水への浸かり方を確認するのはこのためです。
2024年の研究では、冷蔵温度4℃の抽出を8・12・24時間で比較し、8時間以降は味の特徴に統計的な差が出た項目が少ないと報告されています。ただし、粉100g・水500gで作った濃縮液を、抽出後に質量で2倍に薄めて14人が評価したものです。このページの30g・500mLに、8時間が最適だと証明した研究ではありません。豆の焙煎度による違いも大きく、時間だけを変えて同じ味に近づけられるとは限りません。Liangらの原著論文(2024年・別タブ)
2019年の袋抽出の研究では、同じHuila産・粗挽きの比較で、14時間から22時間に延ばすと液の濃度は1.54%から2.04%、粉から取り出した成分の割合は15.21%から20.39%へ増えました。一方、訓練した3人による総合評価の平均は3.8から3.7。両者に統計的な優劣は確認できず、「長いほどおいしい」とも「14時間が最適」ともいえません。Cordobaらの原著・表1〜2(2019年・別タブ)
同研究では、中挽きの袋の中で粉の固まりも観察されています。「薄いから細かく挽く」だけでは、水の通りが悪くなることも考えられます。まず袋を詰め込みすぎず、全体を濡らす確認を優先しましょう。
2019年の条件は20℃・粉60g/水700g、粗挽き701〜900µmと中挽き501〜700µmの比較です。冷蔵の家庭レシピで同じ数値になるとはいえず、室温で14〜22時間置くことを勧めるものではありません。
この2本の研究は、家庭で何日安全に保存できるかを判定する試験ではありません。また、焙煎・挽き目・器具がそろっていないレシピ同士の濃度を、粉量の比例計算だけで予測することもできません。
抽出後は粉入りパックやフィルターを外し、ふたをして冷蔵保存します。HARIOは抽出後にフィルターを残すと苦味の原因になると案内しています。
キーコーヒーは抽出後の冷蔵保存と早めの飲用を案内し、HARIOのFIC-70取扱説明書では冷蔵で2〜3日以内としています。ただし、この日数は、あらゆる作り方や保存状態で安全を保証する期限ではありません。商品に指定があれば従い、一度に飲み切れない量を作りすぎないようにしましょう。
使い終わったら粉を捨て、容器・ふた・フィルターを洗います。HARIOはやわらかいスポンジと中性洗剤を指定しています。漂白・食洗機・熱湯の使用可否は器具ごとに確認し、耐熱性が分からない容器に熱湯をかけないでください。
水出しもアイスコーヒーの作り方の1つです。水で時間をかけて抽出するのが水出し(コールドブリュー)。お湯で淹れ、氷で冷やすのが急冷式です。今すぐ飲みたいときと、前もって作っておきたいときで使い分けられます。
公式資料・原著論文を2026年10月11日に確認。500mL換算・杯数・希釈率は出典の分量や表示を基にした計算値です。当サイトで味の実測比較や、保存期限を決める試験は行っていません。